メタバースは現実の補完ではなく拡張

メタバースという言葉をよく目にするようになってしばらく経ちました。新しい言葉ではありますが、似たようなサービス自体はずっとあったと思っています。例えばMMOゲームやセカンドライフ。

違いは、社会全体の性質の変化だと思います。

セカンドライフが話題になった時期は2006年ごろと現在の違いは、SNSの発達。すなわちインターネットが情報収集の場から情報発信、収集、コミュニケーションをとる場に変化したことだとです。

インターネットが情報収集の場だった時代では、セカンドライフは単なる現実の人とは切り離された仮想現実の場でした。一方でインターネット上に自分の存在そのものがいるという認識の人々が増えてきており、インターネット上の世界が現実の拡張となっています。

インターネット上でのコミュニケーションや属するコミュニティは現実でのそれらから切り離されたものではなく同じものという感覚の人が増えたのだと思います。

同様の現象で、メルマガとオンラインサロンの比較ができます。基本的にサービスの提供者は情報発信が主な作業という点では同じはずですが、情報収集のためのメルマガと、同様の価値観の人とのつながりを求めるオンラインサロンという異なるサービスが生まれています。

考えてみるとMMOやニコニコ動画をダイレクトに経験してきた我々世代くらいまでは違和感なく受け入れられる人の割合が多いのかもしれません。Twitterが当たり前にあった時代の人たちなどさらにという感じでしょうか。

ただ、いち早くそれらの面白さや、収益性に目をつけているのはもう少し上の世代で40代くらいの人だと思います。

メタバースのプラットフォームを提供するものにいろいろな面で依存するという点が問題のように感じますが、そもそもメタバースがどんなサービス内で行われるかというよりかはインターネット上に自分自身をが存在するということ自体に意味があるので、その中での人のつながりや情報が保存されれば大した問題ではないのだと思います。

フェイスブック改めメタが提供したメタバースのクオリティーが低いと批判を浴びていましたが、論点のずれた批判だと思います。

VRやアバターの技術は確かにメタバースをより推進するものではありますが、必須ではなく、インターネット上に自分が存在するという概念こそメタバースの本質なのだと思います。

フェイスブックでは現実世界がありそのつながりをインターネット上でも行うという点から始まったサービスですが、それ自体が現実から切り離されて、インターネット上だけで人と知り合いコミュニティが生まれているという点、メタバースそのものだと思います。

メタバースって何と軽く調べるとこの本質をとらえられていないページがたくさん出てきてしまっているのは残念です。

NFTもこのメタバースの本質とセットで考えるといい感じに理解できると思います。

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